日本の古いバイクの維持は大変!
一部の人気車種に限っては、色々なリプロパーツが多く何とかなる物もありますが、大方の国産旧車は消耗品の入手すら大変な物が多い
もっと言えば、これは消耗品では無いでしょう。という部品まで消耗している事もザラなので困る
70年代に入ってからは、高性能化や乗りやすくするために改良がされていき、どんどんと部品も増えていき
同じ車種でも年式の違いで部品が違って互換性が無かったりする上に、さらに純正が一番!的な価値観もあり大変です
今回のバイク、元々はガス欠に気づかずにレッカー入庫されたのですが、どうも調子がイマイチ
普通にエンジンが掛かってツーリングに乗って行ける程度にキチンとやって欲しいという事なのでやってみます
70年代ぐらいから負圧キャブレターが増えてくる
アクセルを捻ればスロットルが開く直引き式の場合、エンジンが冷えている時や、暖まった後でも必要以上にアクセルをガバっと開くと回転がついてこない
エンジンが止まる事も多いでしょう
それを防ぐために出てきたのが負圧式キャブレター。構造の話は別の機会にして、部品点数が多い。問題なのはゴム部品が多い。入手が難しい
話は変わって写真のキャブレター。普通にネジで止めれば良いジェットが、ゴムのOリングが付いた状態で刺さっているだけのタイプ
それだけだと落っこちてきちゃうので、板を挟んでフロートチャンバーという底に付く蓋で抑えるという物
Oリングの入手は簡単ですが、Oリングが当たる部分のキャブレターボディーが腐食していたりすると調子が出ない
ちなみに写真のキャブレターは、アイドリングの混合比を調整する部分がおかしくなっている
ボディーの劣化で起こる事ですが、これも古いキャブレターで良くある事例です
ボディーの交換が一番ですが無理なので、今回はある程度普通にアイドリングすれば良しとします
なんだか調子の出ないこのバイクですが、やっと原因らしき物を発見!どうやら写真のフロートがいまいちなようです
一見何も問題が無さそうなこの部品ですが、このキャブレターの物ではなく同じバイクでも後期型の物らしい。そのためなのか、調子の出る高さで油面を合わせるとガソリンが漏れ出し、漏れないようにするとガス欠状態で調子が悪い
さきほどのジェットを抑える板さえなければ、こんな事に悩む事もないのですが、フロートチャンバーを締めると強制的に板がフロートを押し上げてしまうので、調整の幅が極端に狭い
キャブレターの本体の形状は後期の物と同じような外観ですが、フロートの違いに合わせて別の部品も違うのかな?と予想しています
そうは言っても部品も手に入らないし、フロートも付いている物しか無いので、なんとかしてみます
同じフロートは手に入るようなので、狭い調整範囲の中でなんとか動くように強引に加工してみました
キャブレター内のガソリン量は、フロートの爪を曲げてバルブがどの位置で閉まるかをフロートとボディーの高さを測って調整しますが、フロートの浮力によって若干変化してしまいますので、実油面という物も測るのが確実です
今回のキャブレターは測りづらい形状だったので、キャブレター内にガソリンを溜めたうえでドレンボルトを外して容量を測るようにしてみました
今は漏れ出てこないかを点検しています
どうも調子が良かったり悪くなったり、どんどん症状が変わって翻弄されました
オーナーさん自体は走行中の不調は訴えていなかったのですが、僕が試運転すると全然調子が出ずに困りました
そういえばトコトコと走っていると楽しいなんて事をオーナーさんが言っていたのを思い出しました
確かにトコトコと都内を走っていれば、チョロチョロとしかガソリンが流れなくても走行可能
僕が試運転でぶん回すと、フロートの調整が悪くてガソリンの供給が間に合わずに調子を崩すのでした
漏れ出てこなければ明日試運転をしてみようと思っていましたが、ブログを書きながらどうにも気になって只今30分ほど乗ってきました
レッドゾーンまで回そうがトコトコ走ろうが、エンジンが止まる事もなく調子良く走れるようになりました
ここ数日の悩みの種が無くなり、スッキリ!
発電量も弱くセルモーターからも異音があったり、その他にも問題点を挙げればキリがありませんが、とりあえず普通に乗れるといった意味では及第点をもらえるぐらいにはなったと思います