当たりエンジンなんて言葉、聞いた事あるでしょうか
同じエンジンでも、たとえ新車でも馬力に違いがあったり
なぜか壊れないやつ、静かなやつ、オイルが漏れてこないやつ
と、オーナーの観点からすると色々ありますが
メカニックが実際に作業するに当たり、仕事として見た場合の当たりエンジンは
ずばりガスケットがすぐ剥がれるやつ!!
どうでしょう同業者のみなさん、すぐ剥がれるのがラクで良いよね~
旧車のエンジンなんかだと、ガスケット綺麗に剥がすのに数時間!なんてのもザラなんですよ
新しいガスケットとか、剥がしやすい材質のガスケットは割とペロッと剥がれる事が多いのですが
長い事交換してなかったり、熱が入る所、紙っぽい材質のタイプが炭化したやつなんかは強烈です
上の写真ロイヤルエンフィールドのアイアンエンジン用。シリンダーヘッドのガスケットちょい古タイプです
一見ペロっと剥がれていますが実は炭化してコチコチ、シリンダー、ヘッド共にガスケットが残った状態でひっぺがれた状態です
こんな風に残ったやつが中々剥がれない
平面と平面が合わさる部分にガスケットをサンドイッチして密閉するわけですから、この残ったやつを除去しないと平面が出ないですね
隙間ができてしまうので、色々な物が漏れ出して困ってしまいます
なので、頑張って剥がします
剥がすといっても剥がれてこないので残っているわけで、チマチマとこそぎ落とす事になります
いろいろとガスケット剥がしのケミカルも売っていますが、総じて効きませんので物理的にやるしか先へ進みません
材質や形状によって色々な刃物を使って削ります
特に鉄シリンダー相手ではすぐに刃先が丸くなるので、研ぐタイプより刃先が交換できるタイプを最近は気に入って使っています
母材を傷つければ、その部分が溝になって漏れが発生する原因となります
取り返しがつかない事が多いので、気を付けて作業する必要があります
これぐらいまで落としたら
砥石を使って慣らして出来上がり
んで、これをひっくり返すと
また現れます
まぁ先ほどのヘッドガスケットと比べれば100倍ラクチンな所です
こちらはクランクケース側
こちらは傷が入りやすいアルミ製なので、気を付けるのはもちろんですが、削りカスがエンジン内に入らないように気を付ける必要もあります
そんなこんなで組立て終わりました、各部チェック中です
こちらもこれから試運転です、オーナーさんお楽しみに!