マチレスのG3L
お預かりまでお時間頂きました、お待たせしました作業開始です
圧縮抜けでエンジンが掛からなくなってしまったという事ですので、まずは各部を見ていきます
タペットやデコンプを確認し、どこも問題無いのに排気側でプシューと気の抜けた音がします
シリンダーヘッドが怪しい
以前にお預かりした時の整備でこのロッカーケースからのオイル漏れを直したかったのですが、ヘッドボルトがフレームに当たって外れないため断念したのでした
ケースをズラせばと考えましたが、ガスケットが千切れてケースも外れなかった場合、わざわざガスケット一つ輸入するのも何だし、ケース外れなきゃガスケット作る型も取れないし、そもそもオイル漏れそこまで気にしてないし。という事で保留していた部分
じゃあエンジン修理の際は降ろすかズラすかしないとダメなの!?
と思っていたのですが、降ろさず作業できるようにまずはやってみます
ケースをずらしながら作業をするとヘッドボルトは外れました。でも今度はケースがフレームに当たり内側でバルブスプリングに引っ掛かります
別の箇所で、この時点でマチレスに精通している方は、おいそれヤベーじゃんという事に気づくのでしょう
僕はこの時点では外す事で脳内一杯
ズラして外す、ズラして外す・・・・
こうやって外れるのか!
良かった、降ろさず外れました!
シリンダーヘッドガスケットは、銅リング
胴長ピストンリング
部分的な焼き付きがあります。すでにオーバーサイズでした
カーボンの溜まり具合や、エンジン内部のゴム部品が新品みたいな状態から察するに、おそらく組んでからそんなに走ってないような感じです
ガソリンを入れて、エアで簡易的にバルブの密着を点検
やっぱり排気側で漏れています
排気バルブが抜けません
焼けたオイルの蓄積があるので、だいぶ熱をもっていたようです
ヤバい箇所。バルブへのオイルラインが二個とも白い液体パッキンで埋まっています
でも一緒にツーリングも行ったし、今までなんで走れたの?
と考えましたが、これとは別にロッカーアームへ流れた後のオイルもバルブ側に回るでしょうから、潤滑は一応ギリギリ出来ていたのでしょうか
前回お預かりした際にローギヤすぎるという事でハイギヤ化しましたので、それで常用回転数が落ちて油圧も下がり、潤滑不良でバルブ固着
という感じで今の所は推理しています
左下のネジは吸気側バルブへのオイル量を調整するネジだそうで、エアスクリューのような形状をしています。戻し量を記録してありますが、はたして合っている数値なのかもわかりませんし、どういった場合に調整するのか調べ中です
これから各部の測定をして部品の発注です、オイルポンプも点検しておきます